谷田家にゃん日誌 vol.31 ~ただの咳かと思いきや~

こんにちは。
動物病院 京都、ねこの病院院長の谷田美和子です。

6月中旬より、本院の改装に伴いねこの病院が獣医師2名体制での診察になっています。
いつもより待合が混雑するなどご迷惑をおかけしています。
改装工事が7/7(水)に終了の目処が立ちました。
7/8(木)~は今までのように獣医師1名体制での診察になりますのでよろしくお願いします。

 

さて、谷田実家で生活している三婆(さんばば)ちゃんのうちの1匹
「ちび」さんも先日、無事に17歳を迎えました。
元々体も小さく、心臓病も抱えているのでここまで長生きしてくれて感謝です。

 

 

 

 

 

 

今回は、このちびさんのお母さん「みぃさん」の話。
虹の橋を渡って今はいないのですが、少しお付き合いいただけると幸いです。


【プロフィール】
名前:みぃ
年齢:不詳
   ちびさんのお母さんなのでちびさんの1~2歳上?
性格:歴代のにゃんズの中で一番ねこっぽい
   谷田のことは嫌い(だったな…)

 

 

 

 

 

2018年の夏の健康診断も無事に終わり、いつものようにまったりと過ごしていましたが

同年秋くらいから咳が気になるようになりました。

家庭の事情ですぐに受診ができなかったのですが

 

2018年12月25日 

数日前からご飯をあまり食べないのでさすがに母に受診をお願いしました。

血液検査、レントゲン検査など院内でできる検査を実施。

・・・・・・すると

 

              

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに正常の胸のレントゲンはコチラです↓

 

 

 

 

 

 

 

上段のみぃさんのレントゲンがとても白いことがお分かりいただけますか?

実はこれ、胸の中に胸水という水が溜まっているからなのです。

胸水が溜まっていると、肺がうまく膨らめないので呼吸がしんどくなります。

まずは
①酸素化
 大気(私たちが吸っている空気)だと、酸素不足でしんどくなるため
 酸素室を使用します

②胸水抜去
  胸に水が溜まっていると、肺が膨らめないのでよりしんどくなります
  胸水を抜くことで肺が膨らむスペースを確保します
  また、抜いた胸水を検査することで、どうして水がたまったの?ということがわかることがあります

を実施しました。

 

その結果、みぃさんの胸水は肺の腫瘍が原因で出ている可能性が高いとわかりました。

こういった胸水を「癌性胸水」というのですが、

正直、予後はとても悪いことが多いです。

 

さて、みぃさんも胸水を抜いたことで少しは楽になってくれましたが

ここからが本題です。

「予後が悪い」ということはいつ「最期の時」を迎えるかわからないということでもありました。

次回ではいずれ訪れる『看取り』の話に触れたいと思います。


※「呼吸が悪い」で来院される方へ
 この時、うちの子は検査や処置を頑張ってくれて終了することができましたが

 「少し動くだけで息が止まりそう」

 「検査で体勢を変えるのが負担」

 「治療のために抱っこするだけでも危険」

 という子もいます。
 (実際にその子にとって負担になれば心停止・呼吸停止につなるケースもあります)

 

 こういった重症の場合、獣医師が検査やすべての治療が困難と判断することがあります。

 ねこちゃんの状態をお伝えしたうえで、検査やできる治療・リスクなどをご説明させていただくようにいたしますが、

 飼い主様の中には「適切に検査や治療をされなかった」と感じる方もいらっしゃるかと思います。

 私たちもできる限りのことをしたいと思いますが、あまりにも危険が伴う場合は

 ねこちゃんのことを考え、やむおえず回避していることがあると少しでも感じていただけると幸いです。


動物病院 京都
ねこの病院院長 谷田美和子

谷田家にゃん日誌 vol.30 ~腎臓病 急性期から慢性期へ~

こんにちは。
動物病院 京都、ねこの病院院長の谷田美和子です。

先日(6/6)にくりさんが17歳の誕生日を迎えました!!
人の年齢に直すと84歳くらいです。

お誕生日の様子↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

誕生日プレゼントとして、いつものご飯(療法食)じゃないものをあげました。
嬉しすぎて、食べる勢いがすごかった…(一気食いして吐かないか心配でした。)
そしてその後、療法食イヤイヤ期が少しありました…やってしまった…


さて、前回のにゃん日誌ブログで3日間の治療で
効果が確認されたくりさん

問題はこの後
ずっと入院しているわけにもいかないので…
①どのように通院に切り替えるか
②通院にした後どのような治療が必要になるか
を考えなければいけません

 

くりさんの場合
①どのように通院に切り替えるか
 静脈点滴から皮下点滴に切り替え、腎数値の再上昇がないかを確認
 問題なければ通院に切り替える
 という方法をとりました

 

②通院にした後、どのような治療が必要になるのか
 以下の治療を継続することにしました。

 ◆療法食
   様々なメーカーさんから、多種多様な腎臓用ご飯が販売されています。
   よく食べてくれたものを使用することにしました。

 ◆投薬
  ・ラプロス:腎臓の繊維化を抑える目的
  ・ウロアクトプラス:尿路感染予防目的

 ◆皮下点滴(自宅)
  くりさんの場合、片方の腎臓が萎縮しているので
  いつ何時また悪くなるとも限りません
  そこで自宅で皮下点滴を行うことにしました

 ◆定期チェック
  体調が落ち着いていても以下の項目を3~6か月毎にチェック
  ・血液検査
  ・尿検査
  ・腎臓、膀胱エコー

上記の治療は、入院事件から3年経った今も続いています。
それぞれの詳しい内容はまた別のコラムで扱わせていただければと思います。
(書くことがいっぱいで追いつきませんね…申し訳ありません。)


このように、急性腎障害を脱しても
慢性腎臓病へ移行している(または進行していく)ことも十分に考えられます。

その場合は、ご家庭でできることを中心に
できる限りのケアをしてあげることで、腎臓への負担を軽減し
少しでもラクに元気に過ごせる時間を作ってあげることができると思っています。

 

「うちでできるのは投薬まで」
「投薬はできないけどご飯や点滴は頑張れる」
など、ねこちゃんによって治療法はさまざまです。
うちの子はどの治療ができるだろう?ということもお話させていただきますので
お気軽にご相談ください。

動物病院 京都
ねこの病院院長 谷田美和子

谷田家にゃん日誌 vol.29 ~急性腎障害のその後~

こんにちは。
動物病院 京都、ねこの病院院長の谷田美和子です。

早くも6月になりました。
6月下旬からは、動物病院 京都(本院)にて院内改装が行われる予定です。
本院改装期間中、ねこの病院の診察時間が変更となります。
詳細はコチラ↓↓↓
6月の診療案内 | 動物病院 京都 ねこの病院 (neko-kyoto.jp)

 

ご確認の上、ご来院ください。

さて、前回のにゃん日誌で急性腎障害と診断したくりさん。
この後どうなったのでしょうか?


入院治療を選択した谷田。

治療内容は
・静脈点滴
・抗生剤の投与(尿路感染がありました)
・吐き気止め

上記治療で3日くらいしてから再度腎数値の確認を行うことにしました。

 

治療開始して翌日(だったかその夜だったか)

看護師さん「先生、ご飯よく食べてますよ!」

との報告を受けました。

たぶん大丈夫やな!と思った瞬間でした。

 

←入院中のくりさん

 入院翌日にはスリスリと機嫌でした

 

 

 

 

 

それほど、ご飯を自分で食べてくれるというのはスゴイことなのです。

特にねこちゃんは入院中に入院ストレスからご飯を食べなくなることも珍しくありません。

幸い、谷田家のにゃんズは神経が図太いのでみんな病院でもご飯をたべるのですが、

「食べる=良い傾向、食べない=まだ具合が悪い」

という指標だったのです。

 

そして運命の3日後… 結果はこちら

 

 

 

 

 

良くなっています!

ひとまず、安堵しました。

その後の治療から通院までの足取りは次回に…


何度経験しても、我が家の子の治療となると緊張と不安があります。

どうしても、獣医師としてよりも飼い主としての気持ちが勝ってしまうのです・・・。

いつも来院していただいている皆さんも同じ気持ちですよね。

そんな不安に少しでも寄り添えるように治療ができれば幸いです。

 

動物病院 京都
ねこの病院 院長谷田美和子