2022.03.07
スタッフブログ
こんにちは。
動物病院 京都、ねこの病院 院長の谷田美和子です。
いつも、谷田家にゃん日誌というくだらないブログにお付き合いいただいて
ありがとうございます。
今回は、ちょっと真面目な病気の話
谷田家のくりさんも闘病中の甲状腺機能亢進症についてです。
『甲状腺機能亢進症』
1 甲状腺とは?
首の中央部くらいにある臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています
甲状腺ホルモンは全身の代謝にかかわる働きをしています
2 甲状腺機能亢進症とは?
甲状腺の結節性過形成、腺腫、腺癌などにより甲状腺ホルモンが過剰分泌される病気
高齢の猫ちゃんの代表的な内分泌疾患
3 症状は?
・体重減少
・食欲増加
・多飲多尿
・活動性の亢進、性格の変化
・被毛粗剛
などが一般的ですが、食欲低下や嘔吐、下痢が起こることもあります
4 診断は?
・血液検査(血中サイロキシン、T4)
5 治療は?
・内科療法
抗甲状腺薬(チアマゾール)の投与
・外科療法
甲状腺の摘出術
6 治療後の経過観察は?
内科療法を行う場合、最初に飲み続ける薬の量を決定するまでの間に
2~3週間毎の定期的な以下のチェックが必要になります
・T4濃度の測定
・貧血のチェック
・腎数値のチェック
・血圧のチェック
※甲状腺機能亢進症では、もともと抱えていた腎臓病が隠れてしまうケースがあります。
その場合、治療を行っていくともとの腎臓の悪さが明るみに出ることがあるので
定期チェックは欠かせません。
7 治療期間は?
内科療法の場合、基本的には生涯に渡って内服の投与が必要になります。
さて、今回はちょっと真面目な病気のお話でした。
8歳以上の猫ちゃんがいらっしゃる方は、
1年に1回、血液検査の中にT4を組み込んでおくことをおすすめしています。
動物病院 京都
ねこの病院
院長 谷田美和子