2021.06.28
スタッフブログ
こんにちは。
動物病院 京都、ねこの病院院長の谷田美和子です。
6月中旬より、本院の改装に伴いねこの病院が獣医師2名体制での診察になっています。
いつもより待合が混雑するなどご迷惑をおかけしています。
改装工事が7/7(水)に終了の目処が立ちました。
7/8(木)~は今までのように獣医師1名体制での診察になりますのでよろしくお願いします。
さて、谷田実家で生活している三婆(さんばば)ちゃんのうちの1匹
「ちび」さんも先日、無事に17歳を迎えました。
元々体も小さく、心臓病も抱えているのでここまで長生きしてくれて感謝です。
今回は、このちびさんのお母さん「みぃさん」の話。
虹の橋を渡って今はいないのですが、少しお付き合いいただけると幸いです。
【プロフィール】
名前:みぃ
年齢:不詳
ちびさんのお母さんなのでちびさんの1~2歳上?
性格:歴代のにゃんズの中で一番ねこっぽい
谷田のことは嫌い(だったな…)
2018年の夏の健康診断も無事に終わり、いつものようにまったりと過ごしていましたが
同年秋くらいから咳が気になるようになりました。
家庭の事情ですぐに受診ができなかったのですが
2018年12月25日
数日前からご飯をあまり食べないのでさすがに母に受診をお願いしました。
血液検査、レントゲン検査など院内でできる検査を実施。
・・・・・・すると
ちなみに正常の胸のレントゲンはコチラです↓
上段のみぃさんのレントゲンがとても白いことがお分かりいただけますか?
実はこれ、胸の中に胸水という水が溜まっているからなのです。
胸水が溜まっていると、肺がうまく膨らめないので呼吸がしんどくなります。
まずは
①酸素化
大気(私たちが吸っている空気)だと、酸素不足でしんどくなるため
酸素室を使用します
②胸水抜去
胸に水が溜まっていると、肺が膨らめないのでよりしんどくなります
胸水を抜くことで肺が膨らむスペースを確保します
また、抜いた胸水を検査することで、どうして水がたまったの?ということがわかることがあります
を実施しました。
その結果、みぃさんの胸水は肺の腫瘍が原因で出ている可能性が高いとわかりました。
こういった胸水を「癌性胸水」というのですが、
正直、予後はとても悪いことが多いです。
さて、みぃさんも胸水を抜いたことで少しは楽になってくれましたが
ここからが本題です。
「予後が悪い」ということはいつ「最期の時」を迎えるかわからないということでもありました。
次回ではいずれ訪れる『看取り』の話に触れたいと思います。
※「呼吸が悪い」で来院される方へ
この時、うちの子は検査や処置を頑張ってくれて終了することができましたが
「少し動くだけで息が止まりそう」
「検査で体勢を変えるのが負担」
「治療のために抱っこするだけでも危険」
という子もいます。
(実際にその子にとって負担になれば心停止・呼吸停止につなるケースもあります)
こういった重症の場合、獣医師が検査やすべての治療が困難と判断することがあります。
ねこちゃんの状態をお伝えしたうえで、検査やできる治療・リスクなどをご説明させていただくようにいたしますが、
飼い主様の中には「適切に検査や治療をされなかった」と感じる方もいらっしゃるかと思います。
私たちもできる限りのことをしたいと思いますが、あまりにも危険が伴う場合は
ねこちゃんのことを考え、やむおえず回避していることがあると少しでも感じていただけると幸いです。
動物病院 京都
ねこの病院院長 谷田美和子