2020.08.07
スタッフブログ
動物病院京都 ねこの病院の副院長 小川修平です。
最近は新型コロナの影響でどの業界でもリモートでのやり取りが推奨されていますが
獣医業界にもその波が来ておりまして、こないだWeb学会のセミナーを受講しました。
毎年、関西の動物病院の先生たちが集まるすごく大規模な学会なのでWebでの開催は違和感がありましたが
WebはWebで自宅で受けられるため違った良さがあるな~と感じました。
(ただし、自宅だと、、もふもふの癒しがいるため集中しにくい部分もありますが、、、)
以下、自宅のもふもふの癒しです。
さて、今回は猫さんの皮膚の痒みについて解説しようと思います。
猫さんの皮膚が「毛が抜けている」「痒い」「赤い」「傷がある」とお困りの方も多いと思います。
実際に痒がっているのを見ると飼い主様としては「なんとかしてあげたい!」という気持ちになると思います。
そして痒みが原因で食欲が落ちたり、生活の質が落ちてしまうようであればなおさらです。
そもそも痒みや脱毛の原因として何が挙げられるのでしょうか?
猫さんが痒がっている原因を大きく分けると
①感染症
②皮膚炎
③精神因(身体因)
④腫瘍
などの原因に分けられます。
①感染症
特に多いのは皮膚糸状菌というカビの仲間です。
特に免疫がまだ弱い子猫さんや老猫さんで感染する事が多いです。
この病気は皮膚がカサカサになったり、毛が抜けますが、痒みはそこまできつくありません。
ただし、人獣共通感染症と言って人間の皮膚にも痒みを起こすことがあります。
病院に来てもらい、カビの検査でライトを当てることで検出できます(写真のように緑に光ります)。
治療はカビを退治するために抗真菌剤を服用してもらうことになります。
治療後は殆どの猫さんが毛はすっかり生えてきます。
②皮膚炎
いわゆるアレルギーのことです。
猫さんでは主に、食餌アレルギー、ノミアレルギーによる皮膚炎があります。
ノミアレルギーの場合は腰の周りに湿疹や発赤が出ることが多いです。
食餌アレルギーの場合は顔周りや腹部の周囲に痒みが出ることが多いです。
治療は1ヶ月に1回のノミダニ予防薬を付けてノミの付着を予防すること、
食餌アレルギーの場合はアレルギーが起きにくいご飯を食べて痒みが改善するか確認します。
③と④については次回説明したいと思います。
いずれにせよ、かゆみが原因で猫さんや飼い主さんの生活の質が落ちてしまうこともありますので
早めの受診をおすすめします。
それでは、また次回!
動物病院京都 ねこの病院
副院長 小川 修平