2020.04.28
スタッフブログ
こんにちは。動物病院京都 ねこの病院 副院長の小川修平です。
本日は猫さんの乳腺腫瘍について書きたいと思います。
猫さんの乳腺腫瘍、いわゆる乳がんはとても怖い病気です。
猫さんの乳頭は4対存在します。乳腺腫瘍とはその乳頭付近の乳腺にしこりができる病気です。
乳腺にできるしこりには良性と悪性の2種類あり、悪性のものがいわゆる乳がんと呼ばれるものですが
猫さんの場合、しこりの約80%が悪性の乳がんと報告されています。
悪性の乳がんの場合、何が起こるかというと
①すぐにサイズが大きくなる
②腫瘍が破裂する
③肺やリンパ節に転移する
ということが起こってきます。
乳腺にしこりがあった猫さんたちの約90%で既に肺やリンパ節に転移があったとの報告もあります。
治療は外科的に腫瘍を取り除くことですが、外科治療後の猫さんの66%で再発があったとの報告があります。
怖いことをいろいろ書きましたが、乳腺腫瘍を防ぐ方法が無いのか?ということですが、実は弱年齢での避妊手術が乳がんを予防してくれます。
報告では6か月齢以前、7~12か月齢、13~24か月齢時に避妊手術を行った場合の乳腺腫瘍の発生率はそれぞれ9%、14%、89%であるといわれています(残念ながら100%防げるわけではありません、、、)
つまり、避妊手術を若いうちにしておけば症例的に乳がんになる確率を減らすことができます。
腫瘍にならないのが一番ですが、もし腫瘍が小さいうち(2cm以内)に早期発見できた場合、すぐに外科摘出をすることで転移を防げる可能性がありますので、普段から猫さんのお腹を触る癖をつけましょう!
また、最近はキャットリボン運動が行われています。
このリンクにも詳しく猫の乳がんのことなどが記載されていますので、是非お読みください!
動物病院京都 ねこの病院
副院長 小川 修平