2017.05.03
スタッフブログ
こんにちは。
京都市上京区の動物病院京都 ねこの病院及び、京都市北区白梅町の動物病院京都 獣医師の尾関 康江です。こちらの病院に勤務してから約1年が経ちました。新しい病院に慣れることに奮闘していたら、あっという間に時間が過ぎていました。周りでは入学式や入社式など新しい門出を迎えていますが、本年度の私の目標としては、色々なねこちゃんと出会うことで、多くのねこちゃんの心をつかんでいくことです。本当は会話が出来ると嬉しいのですが(^-^o
今までは病気のお話ばかりで少々息苦しい部分がありましたので、今回は健康についてお話しようと思います。
皆さんは、ねこちゃんに対して適切な食事管理が出来ていますか。
ねこちゃんの適正体重をご存知ですか?品種や性別、また年齢に応じて適正体重は変わってきます。一般的には肋骨(左右のあばら骨)が触れ、腰にくびれがある状態が良いとされています。(下の表を参照)
肥満はやはりヒトと同様に健康を害することにつながります。糖尿病を初めとし、内臓脂肪や血液中の脂質が増えることで、心臓病、肝臓疾患、免疫の低下につながりやすくなります。また、高齢の子では肥満が足腰の関節の負担になります。
肥満になる理由のほとんどが摂取カロリーの過剰です。フード量が多すぎたり、フード量は少ないけれど、おやつを食べ過ぎているためです。特に去勢、不妊手術を受けたねこちゃんだと、手術後はエネルギーの消費量が減るので太りやすくなります。
ダイエットの計画として、ねこちゃんの場合、運動で痩せさせるというのには限界があり、思うように体重が減らないことが多いです。そのため、食事で摂取するカロリーを抑えることが重要になってきます。通常のフード量を少なくすると栄養不足となり、必要な栄養分も摂れなくなる可能性があります。減量用のフードだと、必要な栄養素は減らさずにカロリーだけ抑えることができます。また、近年フードも改良されフードのかさを減らさず、満腹感をもてるように工夫されています。ねこちゃんの場合、急激な食事制限をすると身体の脂肪が肝臓に蓄えられてしまう肝リピドーシスという病気を招いてしまうこともありますので、注意が必要です。
3月にお知らせさせて頂きましたように、当院では現在減量を目指しているねこちゃんにフードの現品サンプルをお渡ししていますので、ご興味がある方はスタッフまでお声を掛けて下さい。
余談となりますが、ねこちゃんの運動に関してです。
上記に記載したように運動で痩せるということは難しいですが、部屋の中で運動をできる環境を整えることで消費エネルギーを増やすことは可能です。ひと目で部屋を見渡せる環境ではねこちゃんは退屈してしまいますので、キャットタワーやキャットウォークを設置することでより効果的に運動量を増やすことにつなげます。また、空間を増やす目的で棚やソファーを置くと、その先に何かがあるかもと興味を引くことができます。
飼い主さんと一緒に遊ぶことも運動につながります。ねこちゃんは 動くおもちゃや隠れたりすることが好きなので、隙間からおもちゃをシュッと出し入れすることで、遊びモードへとつなげることができます。ねこちゃんの遊びやすい環境づくりを考えてみてあげて下さい。
動物病院 京都
ねこの病院
尾関 康江