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猫ちゃんのおしっこトラブルについて

2017.02.06

スタッフブログ

こんにちは。京都市 北区にある動物病院 京都および京都市上京区 ねこの病院 獣医師 尾関 康江です。

ねこの病院に勤務するようになってから、自転車で本院との往復を移動をしておりますが、風がとても冷たく冬の寒さをまじまじと感じています。私自身は寒さに弱く、お家に帰ったら とりあえずハロゲンヒーターの前でじーっと動けずに時間が過ぎてしまうことがあります。

さて、 今回は、そんな寒い時期に多い猫ちゃんのおしっこトラブルについてお話したいと思います。
猫はもともとあまりお水を飲みません。それは祖先が砂漠で生活をしていたことと関係があるようで、少ないお水でも生活できるように身体ができています。

飲水量が少ないことで問題となるおしっこトラブルの1つに、膀胱炎や尿道閉塞(結晶・結石が尿道につまっておしっこが出にくくなる状態)があります。
問題が起きた時に飲水量が増える病気としては、主に慢性腎臓病、甲状腺機能亢進症、糖尿病などが挙げられます。

お水をあまり飲まないことでおしっこは濃くなります。その濃いおしっこ中では、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルが結晶化し結石となってしまいます。できた結石が膀胱ではなく、尿道に流れてしまうと、そこでおしっこが詰まってしまいます。おしっこが出せなくなることで、何度もトイレに通い、最終的には腎臓にも負担をかけてしまいます。女の子よりも男の子の方が、尿道が狭くまたカーブしているため、詰まりやすいです。

診察をしていると、以前おしっこトラブルになり、食餌の変更をしたけれど、今はもう元気で普通におしっこが出ているからと、一般食に戻したねこちゃんをよく診ます。このようなねこちゃんが、また同じような症状で来院されることが多いです。食事はただのご飯ではなく、おしっこトラブルを治してくれるお薬だと考えると長く続けられると思います。また、ねこちゃんはストレスなどちょっとした環境の変化でもおしっこトラブルが出ることがあるので、トイレの数やトイレの砂をこまめに交換してあげて下さい。

また、年齢と共に腎臓の機能が落ちてくると飲水量が増えます。若い時のように濃いおしっこを作れず、薄いおしっこをします。身体から水分が流れ出てしまうために、それを補おうと飲水量が増えます。甲状腺や糖尿病といった病気でも飲水量は増えるため、体調の変化には注意してみてあげる必要があります。

前に、慢性腎臓病でご飯を勧められたけれど、食べなかったのでご飯の変更ができなかったという話を飼い主様からお聞きします。今は、技術が発達し、ねこちゃんが食べやすいように風味を良くしたり、嗜好性の高いご飯がいくつも出てきました。また、どうしても市販のフードでないとというねこちゃんのために、腎臓には負担となるリンやカルシウムを吸着してくれるフードにふりかけるサプリメントも出てきています。何か気になることがあれば、ねこの病院または本院へお越し下さい。

これらおしっこトラブルは主に尿検査(レントゲン検査や血液検査が必要になることもあります)で調べていきます。 ❝そういえば夏に比べて全然お水を飲みに行かない❞  ❝ここ数日 よくトイレに通うけど 1回のおしっこの量は少ないな❞ ❝最近お水を飲む姿をよく見かけるわ❞などいつもとちょっと違う様子があれば早めに受診して下さい。

新しい年を迎え、また今年もねこちゃんと飼い主様が心地よく過ごせますようにスタッフ一同サポートしていきたいと思いますので宜しくお願い致します。

動物病院 京都 ねこの病院
尾関 康江