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ねこちゃんの口内炎のお話 パート2

2017.03.30

スタッフブログ

こんにちは。京都市 北区にある動物病院 京都および京都市 上京区 ねこの病院 獣医師 尾関 康江です。

朝晩はまだ冷える日もありますが、日中の気温は随分と上がり、出勤日の朝は紫外線が気になる季節となってきました。外猫さんにとっては発情期、飼い猫さんにとっては日向ぼっこできる時期となってきました。私もねこの病院に出勤する日はぼんやり外を眺めていたいなと思うことがあります。

今回は、昨年11月にお話させてもらった口内炎の追加話をお伝えしたいと思います。
口内炎は完治することは難しく、抜歯処置を実施した後でも、口腔粘膜の赤みが残ったり、時間と共に赤みが悪化することがあります。また、パート1でも記載したように、猫エイズや猫白血病ウイルスを持っている場合は症状が重く出ることがあります。ねこちゃんの口内炎は獣医療の中でも確立された治療法はなく、改善しにくい子も多いため悩ましい問題ではあります。

抜歯前の口腔内の状態

 

歯周病の治療としてレーザー治療はすでに一般化されています。レーザー治療の目的として、①歯周ポケット内に存在する細菌を死滅させ、口腔内を無毒化させること ②レーザーの熱により歯肉の炎症を和らげ、組織を修復させることが挙げられます。ねこちゃんの口内炎治療レーザーを導入されている動物病院はまだ少ないのですが、当院では今年1月末よりレーザー治療を導入致しました。                                    ねこちゃんでの口腔内トラブルに対するレーザー治療はヒトと同様で、口腔内環境の改善と炎症を起こした歯肉の腫れを鎮めることです。今までは炎症を鎮めるために、痛み止めやステロイド剤を使用し、口腔内環境を良くするためにサプリメントを併用していました。レーザー治療を併用することで、ステロイド剤の投与間隔が伸びたという報告があり、実際に当院でも抜歯処置の後の継続治療としてレーザーを併用しました。その結果、歯肉炎を完全には押さえ込めてはいませんが痛み止め(非ステロイド剤)を使用せずにご飯を食べられている子がいます。また、長期間の内服投薬は特に中年齢以降のねこちゃんには副作用も考えて使用しなければいけないので、レーザー治療の併用により減薬できることはとてもありがたいです。

レーザー治療前

数回のレーザー後 歯肉の赤みと涎の量がましになりました。

 

ただ、レーザー治療の前に歯の状態に応じて、歯石除去や抜歯処置といった歯に対する治療が必要になります。また、レーザーの治療機械の利便上はレーザー治療は本院のみにて受付ております。ヒトと同じように寿命が長くなったことで、歯の老化も顕著になってきます。ドライフードをこぼすようになった、最近口周りを気にしてよく前肢で掻いているなど変わったことがありましたら、来院下さい。また、以前抜歯を考えていたけれど、年齢もとってきたし麻酔に対するリスクがご心配の方、ねこちゃんの口腔内トラブルでお困りの方も是非ご相談下さい。

 

 

動物病院 京都
ねこの病院
獣医師 尾関 康江